チャリの恩返し
私は自転車が好きだ。
そして変化が好きだ。
小学生の頃から、
当然、ロードバイクなど高価なものではなく
友人の兄のおさがりの
よくある子供用自転車に乗っていた。
いわゆるチャリドリとかいうのをして遊んだりもしていた。(YouTubeで見るような本格的なものでは無い)
時間は進み、中学3年。
高校受験を控えて、勉強ばかりの自分を救ってくれたのは自転車だった。
Amazonで買った安いサイクルコンピューターをつけて走った。
26インチの6段のママチャリだったがサドルを上げ、カゴを外し、チェーンカバーを外し。最終的にはそれで2日に1回は20kmのルートを走っていた。
その頃は自転車が好き、というよりは、
自転車じゃなくても別に良かった。
…
昔から自分は、「変化」が好き。
例えば、ベイブレードはめちゃくちゃハマった。ちなみにメタルファイト世代なのだが、
メインの部分のウィールとか、
真ん中の高さを変えるトラック、
下の部分のボトム、
どれも大切な要素で、どれか1つ変えただけで、
そのコマの性格はガラリと変わる。
それが面白くて仕方がなかった。
…
自転車の話に戻すと、
部品を外して走り、変化を感じる。
当時、感じていた変化はもしかしたら気のせいだったのかもしれない。
でも今思えばそんなことはどうでもいい。楽しかったから。
そして、自転車に乗る時間が増えた。
吹き付ける風、路面から伝わる振動、チェーンの走る音、近づいてくる前景。
全てが心地よく感じた。
自転車が好きだったのかもしれない。
高1の3月、ロードバイクを買った。
今まで長いと思っていた20kmのルートが近所になった。
さらにその道は酷く走りづらい道だと知った。
そして何より、仲間ができた。
教えてもらった道、乗り方、物たち。
50km走って、山を登り、50km走って家に帰る。
レースに出たり、見たりして世界の広さを知った。
そう、自転車が好きだ。
ロードバイクは高価。
でも、それ以上に価値のある経験をしている。
お金は貯めれば貯めるほど偉いと思っていた。しかし、有意義に使うのが1番大切と思う。
ホイールを変えたり、ハンドルを変えたりもした。
自分でバラバラの状態から組み立てることもできるようになった。
自信はなかったが、一生懸命に調べながらやって。挑戦することの大切さがわかった。
本当に変化したのは、自転車ではなく、自分だったのか。